3日目終了

現地時間21日13時過ぎにシオラパルクより、目的地アノーイトー岬の“岩”に向け徒歩行をスタートさせた荻田。昨日本人が「明日は本丸〜」と言っていた通り、3日目の行程は前日にも増してタフだったようです。

 

 氷河の途中から出発。進路の先には、巨大な氷河が大きく落ちてくる大斜面。向かって右はクレバス帯。中央はド派手なアイスフォール帯。左側を登っていくのが正しいルート。大斜面下部をトラバースして、斜面左側に取り付く。時々、片足が埋まるくらいの小さなクレバスがある。人が落ちるほどのものはゼロではないが、ルートを間違えなければ大丈夫なはずだ。自分は単独行なので、落ちたら誰も引き上げてはくれない。落ちないように、細心の注意を払ってルートファインディングする。

 

2016年にカナダから来たとき、この大斜面下降のタイミングで悪天候の視界不良だった。誤って、見上げた斜面右側のクレバス帯に入り込んでしまい、判断に迷ったことがある。その時の詳しい経緯は、私の著書「考える脚」に書いてます。グリーンランドから宣伝。

 

ソリを引いての登りはキツイ。一日中登りの日。氷河大斜面を登り切って、アイスフォール帯上部を東にトラバース。標高を上げていくと、サスツルギが発達している。なんとか標高1000mを超え、明日から氷床横断に入る。ここからは危ない箇所はとりあえずない。もう少し標高も上がるが、ペースを上げて行きたい。

 

進行距離は10kmとはいえ、荷物を載せたソリをひきながらの終日登りは、6年ぶりの身体には相当堪えたように見えます。北極は、6年ぶりだろうが何だろうが、容赦はありませんね。むしろ久しぶりに帰って来た北極冒険家を、大歓迎しているようにも思えます。

 

コメントにもあるように、開始直後、いきなりの難所はほぼ乗り越えたようです。とはいえ気を緩ませることなく、焦らず、無理せず進めてもらいたいと思います。