現地時間21日13時過ぎにシオラパルクより、目的地アノーイトー岬の“岩”に向け徒歩行をスタートさせた荻田。前日の5日目は荻田の判断が奏功し、一気に21km前進しました。6日目も様々なコンディションが味方し、更に順調に進行できたようです。
『 深夜0時から出発。氷床横断の日。標高1200mから、徐々に高度を下げていく。マイナス29度。だが、風がなくとても快適。歩いて暑くも寒くもない、ちょうど良い。足元も固くしまっているので、ペースが上がる。今日は氷床を降り切る手前でキャンプかなと思っていたが、この際一気に行ってやれと気が変わる。
それにしても、美しい場所。標高を下げていくと、氷床を超えた先の大地が眼下に広がってくる。その地形も色も、すべてがここにしかない。今日は快晴で視界も良く、氷床の上から海峡を挟んだカナダのエルズミア島が見えた。2016年には、あちらから渡ってきたなぁと思い出しながら氷床を下っていく。
氷床から北のイングルフィールドに降りるところは、標高差3〜400mを一気に下る氷の大斜面。雪が被っているが、あちこちに氷床の氷が露出。夏になるとこの雪が溶けて流れ落ちる氷の脈があちこちに。世界最北のスキーゲレンデのような、巨大な氷を降りると岩が露出する大地に。写真は氷床を降りたところでのキャンプ。左に傾斜する斜面から、氷床が始まる。
目指すアノーイトーはあと40km。ここから30km、河と谷を下り海に出る。海氷上を進むと、アノーイトーだ。ここから海までは、ジャコウウシやホッキョクウサギ、オオカミなども棲息しているので楽しみだ。海に出れば、そこはシロクマ天国。』
足元の状態も良く、様々な好条件も重なり、この日の進行距離は32km!そして目的地まで40kmと、現実的な数字になって来ました。このペースだと、明後日28日の行程中に“岩”にたどり着けるか、という感じでしょうか?「シロクマ天国」というワードはちょっと心配ではありますが、準備を怠ることなく、着実に進んでいってほしいと思います。
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