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南極点を後にして

昨日のラジオをお聴きになられた方や、荻田本人のフェイスブックをご覧になった方は既にご存知かと思いますが、荻田は現在チリ・プンタアレナスに戻って来ています。今回の荻田の旅を追い続けてくださった方なら聞き覚えがあると思いますが、11月に南極大陸上陸までの間を過ごした、南米大陸南端の街です。

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今回私が南極点まで歩いたルートと同じルートを通り、1126kmを踏破したチームが他にも何組かいました。

そのうちのひとつが中国人女性のジンと、彼女をガイドとしてナビゲートしたカナダ人のポールの2人組。彼らは物資補給を3回受ける計画で、見事に南極点ゴールしました。私と同じフライトで南極入りし、私の前日に南極点に向けてスタート。彼らには中間地点のティールコーナーで追いつき、抜かしてきたのですが、私が南極点に滞在している最中に到達しました。その後同じフライトで南極からプンタアレナスに戻り、昨日は久しぶりに街の食事をしながらいろいろと冒険の話                                    で盛り上がりました。

ポールは著名なベテランの冒険家で、私もその存在は以前から知っており、今回南極で一緒と分かった時には嬉しくなりました。ポール自身北極点の遠征は4度経験しており、南極点も今回何度目?というくらいの経験があります。極点だけでなく、北極各地を良く知り、私よりも当然経験豊富です。北極各地のルートの話し、各種のロジスティックの話しなど、ポールと話していると本当に勉強になります。

そんなポールに南極点までの同行を頼み、見事成し遂げたジンは、いたって普通の女の子。アウトドア系でもクライマーでもない。8年ほど世界中を旅していたことがあり、そんな時に南米で南極のクルーズツアーに参加した人の話しを聞いたことから、思考が次々とリンクして行って、ついには「よし!私も南極点まで歩いてみよう!」と決めたそう。

それから3年かけて準備を進め、スキーも履いたことがなかった状態からトレーニングを積み、資金も集め、南極点到達を果たしました。すごく良い仲間と出会えた気分です。南極で出会い、共にその大変さや面白さや感動を共有した相手ができたことは、私にとって大きな財産です。

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ここまでの文明圏まで戻って来ると、通信環境一つ取っても、南極とは全くの別物。メッセージアプリのオンライン欄に「荻田」の名前が出て来たことで、私は彼がチリに戻って来たことに気付きました。今まで50日間温めて来たことが、これから徐々に本人の口から語られて行くと思います。フェイスブック、ツイッター等、今後ともチェックしてください。それにしても50日間ひたすら歩いた道のりを1日で戻って来てしまうとは...。ここまで来たら、あとは無事に帰国してもらうのみ。次は帰国に関して触れようと思います。